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執筆者の写真高橋創

No.11練習しているときに考えていること: 300*3*3を例に(高橋創)


みなさんこんにちは。

今回は好きなトピックで書いていいと飯島さんに言われて、トピック探しに困っている高橋です。


最初は、先生を怒らせてしまって逃げる時に一番役に立つのはスピードと持久力のトレーニングの両方を積むことができる800m走である、という主張を述べる文章を書こうかと考えたのですが、そもそも先生を怒らせたら逃げないで謝った方がいいのでお蔵入りとして、今回は僕が練習している時何を考えているのか?について書いてみたいと思います。


さて、近頃は SNS で他の人がどういう練習をしているのかを目にする機会が増えていると思います。あの選手は 400*nをss秒でやるらしい、あの選手はジョグをたくさんするらしい、逆にあの選手は短い距離のダッシュをたくさんやるらしい、などなど。そういう情報は自分のメニューを考える際に一定の参考になりますが、そのメニューがその人にとってどういう位置付けなのか?具体的に何を意識しているのか?がわからないと、自分の場合に置き換えることが難しいなあとも感じます。


そこで今回は、僕がよく行う練習である 300*3*3 (r:3’, R:15’) を例にとって、どういう位置づけの練習なのか?1本1本何を意識して走ろうとしているのか?をつらつらと書いてみようと思います。参考になるかは分かりませんが、こんなこと考えて走ってるんだなあと面白がってもらえれば幸いです。


この練習は追い込み切る練習というよりは、そこそこのキツさでもレースペース付近の動きを崩さずに持続させられるようにすることが目的の練習です。目安として、(800mのタイム)*3/8 よりも 0.5~1.0秒程度速い設定で行うことが多いです(800mのタイムが1’48”0であれば 39”5~40”0)。調子があまりよくなければ、無理せずもう0.3~0.5秒程度設定を落とすこともあります。


1セット目-1本目

1本目で余裕があります。なので、ほとんどフォームのみを意識します。その時々によって意識しているところはいろいろですが、接地した時の反発をもらえているかどうかをバロメーターに、骨盤の位置や接地と腕振りのタイミングなどを意識することが多いです。この辺りのは余裕があるうちは練習全体を通して意識します。また、300mを走る時のあるあるとして、最初の100m速く行きすぎてしまって全体としてペースがだんだん落ちていくことがあるので、余裕がある間はなるべく100mごとに一定のペースで走るように気をつけます。


1セット目-2本目

大体1セット目-1本目と同じです。1本目で動きの感覚がある程度掴めているので、1本目でうまくいったところを強調しつつ、うまくいかなかったところを調整しようとします。


1セット目-3本目

1セット目-3本目の後半になると多少キツくなってくるので、動きを崩さないように意識します。イメージとしては800mの450mあたり、スパートはしないがピッチを落とさないくらいの感じです。


2セット目-1本目

この練習の中で一番飛ばし過ぎてしまうリスクが高いところです。1セット目-3本目である程度出力した感覚が残っている一方、15分のレストによって身体は回復しているので、そのままの感覚で行くと設定よりも速いタイムで走ってしまいがちです。しかし、ここで速く行きすぎるとこの後余裕がなくなり、800mの動きの意識というよりも300mを頑張って走り切る練習になりかねないので、慎重に行く必要があります。800mの200-400mくらいを走っている力感で走るよう意識します。


2セット目-2本目

1-3本目と同じくらいのキツさです。ただ、この後短いレストですぐ2-3本目にいかねばならぬので、1-3本目よりも多少抑えた力感で走りたいところです。ここでスパートしないとタイムを維持できない場合は、設定をミスっているか、2-1本目などで速く行き過ぎていることがほとんどです。


2セット目-3本目

この辺りからまあまあキツくなってきます。とはいえ2-3本目が終われば15分レストがあるので、150m過ぎから多少踏んでも問題ありません。800mの500mあたり、ここから一段目のスパートしていくぞ、という局面をイメージして、ピッチとストライドをうまくあげてペースアップします。


3セット目-1本目

15分もレストをとったのに全然回復してない、とここで思ってしまったらこの後地獄を見ることになりますが、設定タイムを守って走っていれば、きついけどここからが本番だ、という心持ちで臨めるはずです。800mの中間走をイメージしつつ、反発をもらえているかなどの動きを意識して走り切りたいところです。ここが動きの意識に余裕を割り振れる最後です。


3セット目-2本目

2-3本目と同じかそれよりきついくらいになります。ここで800mの500m-600mのバックストレートあたりが意識できたら今日の300*3*3はかなりうまくいっています。


3セット目-3本目

ラストです。追い込み切らない練習とは言いつつも、ここではかなりキツくなっていて、800mのラストも多少はイメージできるような状態の時もあります。練習の中で800mのラストをイメージできるくらいのキツさの状態に身体を持っていけるのは1~2週間に1回程度なので、そんな状態の時は切り替えて最後のラストスパートのイメージを作ることもあります。ただ、大抵はやはり800mの500m-650mあたりの一段目のスパートのあたりを意識して、最後だけ本格的なスパートをして終えることが多いです。この辺りは前後の練習や試合までの期間などで意識するポイントを変えます。


以上、僕が300*3*3をしているときに考えていること、でした。一つのメニューで意識していることをここまで詳細に文章化することはないので、改めて整理された部分も多くて自分では面白かったです。最後までお読みいただきありがとうございました!



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